カッパドキアの地下都市は、デリンクユ(地下8階・深さ85m・最大規模)とカイマクル(地下4階公開・通路が広め・観光しやすい)の2つが代表で、入場料は各€15前後(2026年目安)、所要45分〜1時間です。「迫力」ならデリンクユ、「楽に回る」ならカイマクル。閉所恐怖症の人、膝や腰が悪い人、4歳以下の子どもは慎重に判断してください。
このページでは、2つの地下都市の比較、中で見られるもの、通路の実際の狭さ・暗さ・階段、向かない人と代替案、入場料と行き方、グリーンツアーでの扱い、そして「なぜ2万人が地下に住めたのか」の歴史をまとめます。
デリンクユ vs カイマクル
| デリンクユ(Derinkuyu) | カイマクル(Kaymaklı) | |
|---|---|---|
| 規模 | 地下8階公開(推定18階)、深さ85m、収容2万人 | 地下4階公開(推定8階)、収容3,500人 |
| 通路 | 狭く急な階段が多い。長い通風孔の竪穴 | やや広く、傾斜が緩い。回りやすい |
| 見どころ | 十字型の教会(7階)、宣教師学校、通風孔、巨大な石の扉 | ワイナリー、台所、厩舎、石の扉 |
| 所要 | 1時間 | 45分 |
| 混雑 | 多い(グリーンツアーの定番) | やや少ない |
| ギョレメから | 40km、車45分 | 30km、車35分 |
| 向く | 迫力・深さを体験したい、体力あり | 閉所がやや苦手、子連れ、シニア、時間がない |
- どちらか1つで十分。構造は似ており、2つ回る人は少ない。
- グリーンツアーはデリンクユを訪れる会社が多い。カイマクルを希望ならプライベートか個人で。
中で見られるもの
- 石の扉(ドア石):直径1〜1.5m、重さ数百kgの円盤状の石。内側からしか動かせず、外敵が来ると通路を塞いだ。中央の穴から槍で突く仕組み。
- 通風孔:深さ50m以上の竪穴。地下8階まで新鮮な空気を送り、井戸も兼ねた。デリンクユでは上から覗き込める。
- 教会:デリンクユ7階の十字型の教会。宣教師学校(長いテーブル状の空間)。
- 厩舎:入口近く(1階)に家畜を入れた。餌の桶が岩に彫られている。
- ワイナリー・搾油所:ブドウを踏む槽と、果汁が流れる溝。
- 台所:煤で黒くなった天井。煙は地上に出ないよう迷路状の通路で拡散。
- 貯蔵庫:穀物を入れた壺の跡。
- 墓所:一時的な遺体安置所。
- 通路:わざと狭く低く(高さ1.2〜1.5m)、1人ずつしか通れない。敵が攻めにくい。
実際どれだけ狭くて暗いか
- 通路:高さ1.2〜1.6m、幅60〜80cmの区間が続く。かがんで歩き、頭をぶつける。
- 階段:デリンクユで下り約200段、上り約200段。段は不揃いで急。手すりはある区間とない区間。
- 暗さ:照明はあるが薄暗い。足元を見ながら。
- 温度:年中13〜15℃。夏は涼しく快適、冬は暖かい。湿度高め。
- 空気:通風孔のおかげで息苦しさは少ないが、混雑時は人の密度で蒸す。
- 一方通行:矢印に従う。すれ違いができない区間で団体に挟まれると動けない。
- 所要:最深部まで行って戻ると45分〜1時間。途中で引き返すことも可能(上の階だけなら15分)。
向かない人と代替案
| 状況 | 判断 | 代替案 |
|---|---|---|
| 閉所恐怖症 | ×(軽度なら入口付近の1〜2階だけ) | ギョレメ野外博物館、チャウシンの旧村 |
| 膝・腰が悪い | △ カイマクルの上層階のみ | ウチヒサル城塞の外観、パシャバー |
| 身長180cm超 | ○ 頭をぶつける覚悟で | — |
| 4歳以下の子ども | △ 抱っこで | 陶器体験、乗馬 |
| 5〜12歳 | ◎ 「探検」として最も喜ぶ | — |
| 妊娠中 | △ 階段と空気 | — |
| 心疾患・喘息 | △ 上層階のみ、無理しない | — |
| 大きな荷物 | × | 入口のロッカーかバスに |
グリーンツアーで地下都市を省きたい場合は、プライベートツアー(現地ツアー)なら代わりにローズバレーやムスタファパシャに差し替えられます。
入場料・時間・行き方(2026年目安)
| デリンクユ | カイマクル | |
|---|---|---|
| 入場料 | €15前後 | €15前後 |
| ミュージアムパス | 対象 | 対象 |
| 開館 | 8:00〜19:00(夏)、8:00〜17:00(冬) | 同 |
| ギョレメから車 | 45分 | 35分 |
| 公共交通 | ネヴシェヒルからデリンクユ行きミニバス(30分、200円) | 同(25分) |
| ツアー | グリーンツアーの定番 | 一部のツアー |
| 混雑回避 | 開館直後か16時以降 | 同 |
- デリンクユの町には地上にも小さな教会(19世紀のギリシャ正教会)と市場がある。
- デリンクユ→ウフララ渓谷は車30分。グリーンツアーはこの順で回る。
歴史——なぜ2万人が地下に住めたのか
- 起源:紀元前8〜7世紀のフリギア人が掘り始めたとする説が有力。ビザンツ時代(5〜10世紀)に拡張。
- 目的:常住ではなく避難所。アラブ軍(7〜9世紀)、後にモンゴル軍の襲来時に、村人が家畜と食料を持って数週間〜数か月こもった。
- 構造の工夫:①入口は目立たない民家の中、②石の扉で階ごとに封鎖、③通風孔と井戸で空気と水を自給、④台所の煙を迷路で拡散、⑤他の地下都市とトンネルで接続(デリンクユ〜カイマクル間9kmのトンネルがあるとされる)。
- 再発見:1963年、デリンクユの住民が家の改築中に壁の裏の通路を発見。1969年公開。
- 数:カッパドキア全域で200以上の地下都市が確認され、公開されているのは数か所。
他の地下都市
- オズコナク(Özkonak):アヴァノスの北。小規模で観光客が少ない。石の扉の上に敵に熱い油をかける穴がある。€5前後。
- マズ(Mazı):ユルギュップの南。4階、ほぼ未整備で「探検感」が強い。ガイド必須。
- タトラリン(Tatlarin):教会と居住区が一体。
- ガズィエミル(Gaziemir):隊商宿を兼ねた地下都市。ラクダの厩舎。
- サラトゥル(Saratlı):ウフララの近く。小規模。
リピーターや写真家なら、プライベートツアーでオズコナクやマズを組み込むと、混雑のない地下都市を体験できます。全体は カッパドキア完全ガイド。
よくある質問
デリンクユとカイマクル、どちらに行くべきですか?+
迫力と深さ(地下8階・85m)ならデリンクユ、通路が広く回りやすいのはカイマクルです。構造は似ているのでどちらか1つで十分で、閉所がやや苦手な方・子連れ・シニアはカイマクルが向きます。グリーンツアーはデリンクユが定番です。
地下都市はどれくらい狭いですか?+
高さ1.2〜1.6m、幅60〜80cmの通路が続き、かがんで歩きます。デリンクユは下り・上り各約200段の急な階段があり、一方通行で引き返しにくい区間があります。温度は年中13〜15℃です。
閉所恐怖症でも入れますか?+
おすすめしません。軽度なら入口付近の1〜2階だけ見て戻ることは可能です。代わりにギョレメ野外博物館やチャウシンの旧村をどうぞ。
入場料はいくらですか?+
デリンクユ・カイマクルとも€15前後(2026年目安)で、ミュージアムパス・カッパドキアの対象です。所要は45分〜1時間、開館は夏8〜19時、冬8〜17時です。
子どもは楽しめますか?+
5〜12歳には「探検」として最も人気のスポットです。4歳以下は抱っこが必要で、狭さと暗さを怖がる子もいます。
なぜ地下都市が作られたのですか?+
常住ではなく避難所で、7〜9世紀のアラブ軍の襲来時に村人が家畜と食料を持って数週間〜数か月こもりました。石の扉、通風孔、迷路状の通路で守られ、デリンクユは最大2万人を収容したとされます。
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